恵那市の現場で気密測定を実施しました。

 本日、恵那市で建築中の現場で気密測定を実施しました。結果はC値0.1と超高気密となりました。これで、5棟連続でのC値0.1になります。現場での大工さんの丁寧な施工に感謝します。

 C値はどこまで求めれば良いのかという議論は、良くされているのですがそもそもC値を上げると良いことを整理します。大きく分けて2つです。第一に計画換気が上手くいくことと、漏気による熱損失が減ることです。

 実際、松尾式でC値がどれくらい断熱に効くかという指標の計算式があるのですが、Q値+C値/10で表しています。C値が1.0であればQ値が0.1悪化する程度ということです。ただ、ちょっと難しい問題もあるなと思っています。

 それは、C値を高めようとするために施工手間がかかりすぎてしまうという点です。C値をよくするためには、気密性が良くなる設計上の工夫と現場の施工の丁寧さの2つが重要です。

 例えばC値2.0からC値1.0にするのはそこまで難しくありません。多少施工が粗かったとしても、外周部に面材を使う、基礎断熱にするなど気密の取りやすい工法にすることで達成することができます。

 そこから、C値1.0⇒0.5⇒0.3⇒0.1⇒0.0と気密性能を高めていくのに難易度はどんどん高くなり、手間も掛かってきます。当然、施工手間も掛かるので段々コスパは悪くなってきます。当社は吹付断熱と基礎断熱を採用しているため、0.3程度だったら特に問題なく出来ます。

 当社としては、特に問題なく0.3が出るのでそこにひと手間加えて0.1を出しているという感じになります。ある程度の手間で0.1が出るのだから、数値は良い方が良いかなという感じです。

 当然、工務店さんごとに断熱材も違いますし気密の取り方も変わってきます。グラスウールで0.3台を狙おうとするとより納まりの検討と施工の丁寧さが求められると思います。最近の高気密ブームの影響なのか、C値0.5でがっかりしたというようなコメントも見たことがありますが全く問題ない数値です。

 例えば、Ua値が0.5⇒0.3になれば温熱環境は激変します。しかし、C値0.5⇒0.3になったとしても体感としては少し違うかな?くらいだと思います。実際、モデルハウスのC値0.3とお引渡ししたC値0.1の住宅を両方体感していますが、殆ど違いは分りません。

 大事なことは、コスバよく暖かくて涼しい住宅を燃費よく提供することだと思っています。Ua値でもC値でもそうですが、ある程度までの高性能にいくとそれ以上に向上させるためのコスパが非常に悪化します。

 工務店選びの際にはC値は0.5前後出てれば十分かなと思います。それよりもUa値、C値、パッシブ設計、冷暖房計画のバランスが取れている工務店さんを探して頂ければと思います。

2023年10月13日

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗良太