庇での日射遮蔽の限界。中間期の日射コントロールは庇では無理?

 2023年9月3日本日も、岐阜県恵那市では最高気温が35℃になりました。暑い日を涼しく過ごすために、最も重要なことが日射遮蔽を適切に実施することになります。南側については、窓の高さに対して、比率3の割合で庇を出すことが黄金比といわれています。小栗材木店でも、それに従って南の庇の出を決定します。

 8月上旬から中旬にかけてこの庇が効いているので、それだけで南の窓の直射日光を遮ることが出来ます。しかし、8月下旬から9月になってくると太陽光高度がどんどん下がってきて、庇の効果がなくなってしまいます。9月に庇で日射遮蔽をしようと思うと、軒の出を1,200程度にする必要があります。

 しかし、そうすると冬の日射取得が減ってしまいます。今後、9月がより暑くなってきたとき、夏と同様日射遮蔽を完璧にしたい。でも冬の日射取得も逃したくない。これを両立するためには、アウターシェードか外付けブラインド等を利用するしかありません。

 アウターシェードと外付けブラインドであれば、日射を入れたいときに取り入れ、遮りたいときに遮ることが完璧にできます。特に、9月のような太陽高度が下がってきているけど、暑い時期には効果てきめんになります。

日射コントロールをするためのシェードの図解

 最近の気象は、春と秋のような中間期が段々と少なくなってきているように思います。冷房期と暖房期が長くなってくると、庇での日射コントロールがより難しくなってくる。当社では、以前は南面に適切な庇があった場合、シェードは任意としていましたが、これだけ9月が暑くなってきてしまうと必須で取り付けが必要であると思っております。

 ちなみに、太陽高度が一番高い時期は、夏至(6月22日頃)で南中高度は78.4°(緯度35°)ほとんど真上から太陽光が落ちてきます。反対に一番低い時期は、冬至12月22日頃で南中高度は31.6°(緯度35°)水平に太陽光が入ってきます。

 これを利用して、日射のコントロールができるのが南面になります。*東西北面は常に太陽光高度が低いため庇でのコントロールが難しい。9月というとちょうど夏至と当時の中間ということになり、太陽高度もその中間、非常に中途半端な時期となります。

 アウターシェード、外付けブラインド、簾や葦簀どれでも良いのですが、窓の外で遮蔽物を取り付けることで、中間期も快適に過ごせます。

2023年9月3日

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗 良太