真夏の松尾式小屋裏エアコンの温湿度データ検証しました。

 

 皆様、こんにちは。 岐阜県恵那市の工務店、小栗材木店です。

 今回は、当社が取り組んでいる松尾式住宅設計術において最も難しいと言われている小屋裏エアコンについて検証結果をお伝えしたいと思います。

 現在、MXエンジニアリングさんが主催している松尾先生の講座『エコハウス性能・コスト最適化研修』を受講しております。

 全国の工務店さんが、松尾先生の住宅設計、特に小屋裏エアコンの設計手法を学びに月に1回東京の会場まで勉強に集まります。

 講義の後に、毎回懇親会があるのですが、全国で高性能住宅を建てている工務店の実務者さんが集まってくるので、ここでの情報交換も非常にためになります。

 そこで何度か耳にしたのは、床下エアコンはうまく行くけど、小屋裏エアコンは何度か失敗したというもの。 

 大体が、自邸かモデルハウスで一度チャレンジしてみて失敗したというものになります。

 いくつか失敗の要因があるようですが、リターン開口が小さい、ファンの選定ミス、日射遮蔽が不十分この3つが主な要因ではないかと思います。

 当社のモデルハウスでは、松尾式小屋裏エアコンと床下エアコンが体感できるように計画しました。

 お客様のお家ではないので、計測したり実験したりもやりすいです。今回は、8月にモデルハウスの温湿度データをまとめました。

 

 こちらが、当社モデルハウスの8月の外気温と室温データになります。オレンジ色が外気温、緑色がLDKの室温、一番下の茶色が小屋裏の室温になります。

外気温が、朝は25度で最高気温が38度付近まで乱高下しているのに対して、LDKの室温は+-1度程度で保たれています。

 モデルハウスという事で、涼しさを体感していただくため、23~25度程度の室温としております。

 実際に生活される場合は26度~27度で生活されると快適だと思います。

 小屋裏は、温湿度計を床付近においているためかなり低めに表示されておりますが、設定温度は23度で設定しています。

 小屋裏の温度が高い時間帯がありますが、これは雨の日に除湿モード(再熱除湿)に切り替えているためです。

 続いて、湿度データはこちら

  こちらは相対湿度ではなく、絶対湿度になります。

 外気の絶対湿度が、20g/㎥に対して、室内は12g/㎥程度に保たれています。

 雨の日が続くとさすがに14g/㎥台になっていますので、この場合は除湿モードへの切り替えが必要となります。

 初年度は、基礎から水分ボーナスがあるため、来年、再来年にはもう少しカラッとさせられるかと思います。

 夏場のムシムシする感覚というのは、実は相対湿度%とはほとんど関係がありません。

 絶対湿度g/㎥に比例するのです。理想的にはこれが11g/㎥台になると超さらっと快適になります。

 これからの物件で取り組んでいる松尾式小屋裏エアコンver2は、この除湿がより強力になる手法を追加しております。

 また、実物件が出来ましたら、検証データをあげたいと思います。

 2023年9月1日

 株式会社小栗材木店

 常務取締役 小栗 良太