樹脂サッシだけどアルミスペーサー?

 最近のお客様は本当によく勉強されているなと思います。サッシについては、樹脂サッシを入れるというのは当たり前で、樹脂サッシのペアにするかトリプルにするかで悩まれているなんて方も多いです。今回は、見落としがちなサッシのスペーサーについて、ご紹介します。

 ハイブリッドサッシではなく、オール樹脂サッシを採用したとしてもアルミが使われている部分があるってご存じだったでしょうか。それが、スペーサーの部分です。スペーサーの役割は、ペアガラス(トリプルガラス)の内部の乾燥空気やガスを外に逃がさないようにするためのものです。

 こちらです。↓APW330の断面図 こちらの黄色の部分がスペーサー(こちらは樹脂スペーサー)

 各、サッシメーカーでスペーサーも2パターン用意があって、樹脂とアルミと選ぶことができます。アルミの方が安いため、樹脂サッシを標準採用している工務店やハウスメーカーであっても、スペーサーだけアルミスペーサーを採用しているということが少なくありません。

 何も指定しないとアルミスペーサーになっている可能性が高いので、是非樹脂スペーサーでお願いしますとお伝えすることをお勧めします。細い部材だから、影響も少ないだろうと思われるかもしれませんが、結構違うんです。

 そもそも、樹脂サッシに使われているPVCという素材とアルミの熱伝導率を比較するとこんな感じです。

 PVC=0.29W/m・K

 アルミニウム=236W/m・K

 およそ1,000倍アルミニウムのほうが熱を通しやすいことがわかります。

例えば、

APW330の引違い窓で樹脂スペーサーの場合の熱貫流率は1.36W/㎡K

APW330の引違い窓でアルミスペーサーの場合の熱貫流率は1.42W/㎡K

0.06W/㎡Kも性能が違います。

特にスペーサー部分が強烈な熱橋となるので、結露リスクも高まります。窓の選定は実は、細かい気遣いが必要がところが沢山あります。東西南北でLow-Eガラスの種類(日射取得型、遮蔽型)、サイズ、タイプ(FIX、滑り出し)、スペーサーの種類などなど。

 窓の設計については、また違うブログで書きたいと思いますが、ひとまずスペーサーは樹脂スペーサーを選んでください。

2023年12月21日

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗良太