先日、等時間日影図を使った日影を読む手法をご紹介しました。等時間日影図は、住宅密集地等で日影を読むのに非常に有効な手法です。しかし、敷地近くに森林があるとう、なかなか高低差を入力することが難しい敷地もあります。
そこで、便利なのがSunSeekerというスマホアプリになります。有料ですが、現地での日当たりを簡単に測定することが可能です。こちらが、先日現地調査で撮影したものです。写真左手に森林があって、日当たりが心配だったため計測してきました。
この青のラインで表示されているのが、年間で最も太陽高度の低い冬至の日の太陽の動きになります。これを確認すると大体午前9時頃から太陽が顔を出すということが分かります。日の出から9時前までは、日当たりは厳しいかなという感じでした。
SunSeekerを活用することで、等時間日影図で再現できなかった日当たりもある程度把握することができます。両方を活用することでより正確な日影のシミュレーションを行うことができます。
当社は岐阜県恵那市岩村町に本社があるのですが、見渡す限り山に囲まれた自然豊かな地域になります。平野と比べても、SunSeekerの出番が多い地域になります。スマホアプリなので、気になればさっと測定できるのもメリットです。
実際に、建物の影も大体把握することができるので、街中でも活躍します。先日は、同様に山を背負った土地を検討されているお客様が、ご自分でSunSeekerを購入して撮影してきたという画像をもってこられました。
最近のお客様は、本当に勉強されているなと感心しました。逆にそれくらい勉強されているタイプのお客様だと、普通の住宅営業マンは物足りないようです。自分の質問に対して全く動揺することなく普通に答えてれくれる営業さんは2人目だとおっしゃっていました。
インテリア等のある一部の分野に関しては、プロよりも詳しいというお客様も増えてきています。実際トレンドの内装などについてはお客様から教わることも多くなってきました。断熱、気密、耐震等の性能に関することではさすがにそんなことはないのですが、工務店も日々勉強して進化していく必要があるなと思いました。
2023年10月18日
株式会社小栗材木店
常務取締役 小栗 良太