高断熱住宅に適したエアコンの選定方法

 G2以上の高断熱住宅にした場合、冷暖房負荷を計算すると、小さいエアコン1台で家全体を冷房したり、暖房したりすることが出来るようになります。実際に30坪を切るような住宅の場合、6畳用エアコンでもOKとなる場合も多いです。

 まず、エアコンは大きく電源よって2つに分類することができます。100Vのタイプと200Vのタイプです。メーカーや上位モデル下位モデルによっても異なりますが、上位モデルの場合は14畳用から200Vになる場合が多いです。

 一般的に家電製品は200Vの方が、効率が良いといわれています。6畳用で最大暖房負荷が賄えるという計算が出た場合、今までは6畳用にすることが良いとされていました。当社でも、最大暖房負荷を超える最小のエアコンを選定することにしていました。

 最近の調査では、エアコンの最小出力が省エネに大事であるということが分かってきました。高断熱住宅の場合、トロトロ運転になる場合も多いので、その時間帯の消費電力を抑えられるのがメリットになります。

例えばこんな感じです。

三菱電機Zシリーズ6畳用2022              暖房時の最小電力は105W

三菱電機FZシリーズ14畳用2022           暖房時の最小電力は70W

 一番頑張らないトロトロ運転の時の燃費性能が30%以上も変わることになります。松尾設計室の松尾先生も、200Vで最小のものを選定するように指導をされています。但し、6畳用エアコンと14畳エアコンでは、当然6畳用の方が導入コスト、交換コストも安くなります。

 また低暖房時の暖房能力も重要になります。エアコンは、空気中の熱を利用して冷暖房するヒートポンプという仕組みを使っています。外気温が下がると空気中の熱も少なくなるので、エアコンの能力も下がるのです。

 低暖房能力は外気温が2度の時の暖房能力になります。寒冷地の場合は、より外気温が下がるので、ここの能力で選ぶと失敗がしなくなります。上位機種の場合、この低暖房能力が高くなります。

 14畳用の上位機種エアコンが省エネとなる可能性が高いです。但し、導入と交換のコスパは6畳用が圧倒的に良いので、この辺りのバランスを考えながら選定したいところです。

2023年10月4日

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗 良太