高気密住宅で24時間換気システムが必須な理由を解説

近年、断熱性や省エネルギー性能の高さから注目を集める高気密住宅ですが、その構造ゆえに室内の空気質について懸念を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
意図しない隙間風が減ることで、快適性や省エネ性が向上する一方で、室内の空気は滞留しやすくなります。
せっかく新しい住まいで健康的に、そして心地よく過ごしたいと願うのであれば、室内の空気環境を適切に管理することが非常に重要になります。
そこで、高気密住宅の快適性を最大限に引き出し、健康的な室内環境を維持するために欠かせない存在となるのが、24時間換気システムです。

高気密住宅における24時間換気システムの必要性

高気密化で空気の質が悪化するリスク

高気密住宅は、高い断熱性能や冷暖房効率、外部からの騒音の低減といった多くのメリットをもたらしますが、同時に室内から空気の出入りが自然には行われにくくなるという特性も持ち合わせています。
その結果、室内の活動によって発生する二酸化炭素や、調理や洗濯、結露によって生じる水蒸気、さらにハウスダストやペットの毛といったアレルゲン物質が室内に滞留しやすくなり、空気の質が徐々に悪化していくリスクが高まってしまいます。

24時間換気システムが空気の質を維持する仕組み

24時間換気システムは、このような高気密住宅における空気の質悪化リスクに対応するために、建築基準法で設置が義務付けられている重要な設備です。
このシステムは、室内の汚染された空気を計画的に排出し、新鮮な外気を取り入れるという一連のプロセスを、24時間絶えず自動的に行うことで、室内の空気環境を一定に保ちます。
多くの高気密住宅で採用されている熱交換器付きの換気システムでは、排気する際の室内の熱を回収して給気する外気に伝えるため、換気による熱損失を大幅に抑え、省エネルギー性を損なうことなく快適な空気質を維持できます。

シックハウス症候群やアレルギー症状を軽減する効果

24時間換気システムを適切に稼働させることは、シックハウス症候群やアレルギー症状の軽減に直接的に貢献します。
室内に滞留しがちな二酸化炭素は、換気によって常に新鮮な外気と入れ替わるため、高止まりを防ぎ、集中力の低下や眠気といった不快な症状を抑制します。
また、室内の過剰な湿気も効果的に排出されるため、カビやダニが繁殖しやすい環境を抑制し、アレルギーの原因となるこれらの発生を抑える効果も期待できます。

高気密住宅で24時間換気システムを活かす方法

気密性能が換気効率に与える影響

24時間換気システムの効果を最大限に引き出すためには、住宅自体の気密性能が非常に重要となります。
気密性能は一般的に「C値」という指標で表され、これは建物全体の隙間面積を住宅の表面積で割った値で、数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。
高気密住宅においては、このC値が小さければ小さいほど、意図しない隙間からの空気の漏れ(漏気)が少なくなり、換気システムが設計通りに計画された換気量を正確に供給・排出できるようになります。

換気システムの効果を最大化するメンテナンス

せっかく高性能な24時間換気システムも、適切なメンテナンスを怠るとその効果は著しく低下してしまいます。
例えば、給気口や本体に備え付けられているフィルターは、外気と共にホコリや花粉、PM2.5などを取り込むため、定期的な清掃や交換が不可欠です。
フィルターが目詰まりすると、換気量が減少するだけでなく、空気の吸い込みが悪くなることで運転音が大きくなったり、本体に余計な負荷がかかったりする原因にもなります。
メーカーが推奨する点検・清掃スケジュールを遵守し、フィルターや部品を適切に交換することで、換気システムは常に最適な状態で稼働し、高気密住宅の快適性と健康性を長期間にわたって支えてくれます。

まとめ

高気密住宅では、断熱性や省エネ性の高さと引き換えに、室内の空気質が悪化するリスクが内在しています。
このリスクを回避し、シックハウス症候群やアレルギー症状の軽減、快適な室内環境の維持を実現するために、24時間換気システムは不可欠な設備です。
その効果を最大限に引き出すためには、住宅自体の気密性能を適切なレベルに保ち、計画通りの換気量が確保されるように設計することが重要です。
さらに、換気システムを常に最適な状態に保つためには、フィルターの清掃・交換をはじめとする定期的なメンテナンスを欠かさず行うことが肝要です。
これらの要素が組み合わさることで、高気密住宅ならではの快適性と、健康的で安心できる住まいが両立されるのです。