住まいの快適性や省エネルギー性能を高める上で、気密性の重要性はますます注目されています。
外気の影響を受けにくく、室内の温度や空気を適切に保つことができる高気密な住まいには、どのような恩恵があるのでしょうか。
また、その性能を最大限に活かすためには、どのような点に留意する必要があるのでしょうか。
今回は、気密性の高い家がもたらすメリットと、家づくりにおいて考慮すべきポイントについて解説します。
気密性の高い家で得られる利点
季節を問わず快適な室温
気密性の高い家は、屋外との空気の出入りが少ないため、冷暖房で調整した室内の温度を効果的に保つことができます。
これにより、夏は涼しく、冬は暖かく、一年を通して快適な室内環境を実現しやすくなります。
隙間風が少なくなることで、室内の温度ムラも軽減され、家中どこにいても快適に過ごせるようになります。
冷暖房費の削減
室温を一定に保ちやすい高気密住宅では、冷暖房機器の稼働を最小限に抑えることが可能です。
外気の影響を受けにくいため、設定温度を極端に高くしたり低くしたりする必要がなく、少ないエネルギーで快適な温度を維持できます。
結果として、年間の冷暖房費を削減することにつながります。
建物の劣化抑制
気密性の高さは、建物の長寿命化にも貢献します。
室内の温かい空気が壁の内部などに入り込み、冷たい外気に触れることで発生する内部結露は、建材の腐食やカビの温床となることがあります。
高気密な家では、このような結露の発生を抑制しやすくなるため、建材の劣化を防ぎ、長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。

気密性の高い家で注意すべきこと
計画的な換気で空気質を保つ
気密性が高い家では、意図しない隙間からの空気の流入・流出が少なくなるため、計画された換気システムが非常に重要になります。
24時間換気システムなどを適切に稼働させることで、室内のハウスダストや汚染物質を効率的に排出し、新鮮な空気を供給し続けることが可能となり、健康的な室内空気質を維持できます。
湿度調整による結露防止
気密性が高い状態で換気を行わないと、室内の湿気がこもりやすくなります。
湿気が室内に滞留することで、カビやダニの発生を招くリスクも考えられます。
そのため、意識的に換気を行うか、24時間換気システムをきちんと稼働させることが重要です。
また、家がスカスカ(低気密)だと、換気扇を回しても隙間から空気がショートカットして入ってきてしまい、部屋全体の空気がうまく入れ替わらないという問題もあります。
「高気密であること」は、24時間換気システムを効率的に機能させるための大前提でもあるのです。
適切な断熱材と防湿層の選定
断熱性の高い住宅においては、壁の内側と外側の温度差が大きくなります。
その状態で気密施工(防湿施工)が不十分だと、壁の中に湿気が入り込み、急激に冷やされて結露するリスクが高くなります。
これがいわゆる「内部結露」と呼ばれるものです。
これを防ぐためには、結露計算などを実施し、地域や建物の構造に適した断熱材の種類や厚みを慎重に選定することが不可欠です。
さらに、必要に応じて防湿層を適切に施工し、室内の湿気が壁内へ侵入するのを防ぐ対策が求められます。

まとめ
気密性の高い家は、室温を快適に保ち、冷暖房費を削減し、建物の劣化を抑制するなど、多くの利便性と経済性をもたらします。
しかし、その性能を最大限に引き出し、安全で健康的な住まいを実現するためには、計画的な換気、適切な湿度管理、そして何よりも結露計算に基づいた断熱材や防湿層の選定といった専門的な配慮が不可欠です。
これらの要素を総合的に検討し、住宅の性能を正しく理解することで、より快適で長持ちする住まいを築くことができるでしょう。

