断熱等級どこまでするべきか。

2024年4月から断熱等級4の義務化がスタートします。ずっと、高断熱に取り組んできた工務店からするとやっとかという感じではありますが、最低限の義務化になるのは喜ばしいことです。数年前まで、等級4が最高等級であった時代は、最高等級だから快適で省エネですよという営業トークがまかり通っていました。

現在は、断熱等級7という超高断熱が最高等級となりましたので、よほど高断熱に特化した工務店か一条工務店くらいしか最高等級が標準ですという営業トークはできなくなりました。では、断熱等級はどこを目指したら良いのでしょうか。これは、ゴールの設定によって変わってきます。

究極の快適性を追求する。これが目的でしたら等級7を目指すとよいと思います。断熱等級7と適切なパッシブ設計、空調計画が実現できると、超快適と省エネを実現できます。特に部屋間での温度差が非常に少なくなります。日射取得だけで、室温が上がるので無暖房住宅を実現することも可能なレベルです。

等級7のデメリットは、建築コストが高額となってしまうので、光熱費削減での回収期間が50年~60年程度となるという点です。ヨーロッパのように、100年以上住むのが基本で、孫から子孫ずっとその家を受け継いでいくという文化圏の場合は、等級7を標準とするメリットが大きいです。

トータルコストと快適性の両立を目指す。これが、目的の場合はその家への居住想定年数によって、最適解が変わってきます。初期費用(建築コスト)とランニングコスト(冷暖房費)をシミュレーションするとこうなります。

居住期間10年 → 等級4

居住期間20年 → 等級5(G1)

居住期間30年以上 → 等級6(G2)

 新築で注文住宅を建てる方は、30年~35年の住宅ローンを組まれる方が多いので、一般的には30年でのトータルコストを考えた家づくりを考えるのが良いのではないでしょうか。

 当社では、30年のトータルコストを考えた家づくりとして等級6と7の間の6.5を標準としています。快適性と省エネ性で最もコスパが良いと考えているからです。

当社では断熱グレードは2つ設定しています。

30年のトータルコストを重視したい方 → 標準グレード 等級6.5

究極の快適性を追求したい方 → 上位グレード 等級7

断熱等級7も対応した仕様がありますので、興味がある方はお問い合わせください。

2024年7月14日(日)

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗良太