断熱性能を高めると家が熱くなる?涼しくするために、必要なこと。

 こんにちは、岐阜県恵那市の工務店、小栗材木店です。本日2023年8月28日、残暑が厳しい日が続いております。私が、小学生のころは夜、エアコンをつけて寝た記憶がありません。恵那市岩村町の田舎では、夜は涼しく窓を開けて要れば夜は涼しく過ごすことができました。しかし、ここ数年の夏は特に熱帯夜が多くなり、エアコンなしでは眠れない状況になってきています。

 実際、熱中症にかかる人の4割は自宅でなるといわれています。そのうちの7割が高齢者です。快適に過ごすこと以上に、健康に過ごすためにも家を涼しく保つことが重要になります。でも、エアコンで冷房を掛けていると身体がだるくなる、エアコンの風が嫌いで夜は切って寝たい…

 では、どうしたらエアコン嫌いな人でも家中快適に過ごすことでできるでしょうか。実は、家を涼しくするためには断熱性能はそこまで高める必要はありません。最低限Ua値0.6以下ZEH水準程度あれば夏は十分です。それ以上に大事な要素が二つあります。

 一つ目は、日射遮蔽を完璧にするという事です。これが最も重要な要素になります。太陽の直射日光が窓に当たるのを完璧に遮る。これが出来ていないと涼しいお家には絶対になりません。最近の住宅の断熱性は高まる一方です。日射遮蔽が不十分な家では逆に夏が熱くなってしまうこともあります。

 一般的に掃き出し窓 幅165cm高さ2mのサッシだと、直射日光で600W程度の熱が入ってきます。これはコタツ1台分の熱に相当します。つまり、直射日光がガンガン当たる状態で冷房をつけるということは、半分で冷房をしながら半分で暖房を付けているのと同じになるということです。身体半分に冷気が当たり、また半分から熱気があたる、これ程不快な事はありません。

夏涼しく過ごすパッシブデザインの概念図

 

 具体的な日射遮蔽の方法をお伝えします。新築でこれから間取りを計画する場合は、この3つを行えばOKです。

①南面向きの窓(東西に15°程度まで)の場合は、窓の高さに10に対して3の長さで庇を付ける。

②庇を付けることが難しい場合は、外付けのアウターシェードまたは簾等で、窓の外側日射を遮る。

③東西北面については、一部屋当たり、各方向の窓のサイズを0.5㎡以内に抑える。

以上です。

 基本的にこの法則でしっかりと日射遮ることができます。但し、8月後半から9月には太陽高度が下がってくるため、庇で日射を遮るのが難しくなってきます。南面はアウターシェードを付けておくと、完璧に日射のコントロールができます。普通のカーテンでは、ダメですかという質問をよく聞かれるのですが、大体4割しか遮れないため効果は半減してしまいます。

 中古住宅の場合は、東西北面にも大きな窓がついている場合が多いと思います。その場合は、アウターシェード、簾等で対策してみてください。

 二つ目は、家全体をエアコン1台で冷房する空調計画を実施するということです。当社の場合は、小屋裏エアコンというものを使って家全体の冷房、除湿を実施しています。こちらのメリットのひとつは、身体が楽というものです。エアコン嫌いな方の一つとして風が深いというものがあります。部屋ごとにエアコンがある場合、エアコンの吹き出し口からは10度~15度程度の低温の風が出ています。それが、直接身体にあたるので不快に感じるのです。

 小屋裏エアコンの場合は、遠いところ(小屋裏)でエアコンが動いているだけです。風自体も直接身体に当たらないような工夫をしています。エアコン嫌いな方でも小屋裏エアコンであれば、大丈夫という方のほうが多いと思います。

 

 まとめ

夏を家中涼しくするために重要なこと

 ・完璧な日射遮蔽をする。

 ・エアコン1台で涼しくなる空調計画を実施する。

*最低限の高気密高断熱は必要となります。 目安Ua値0.6以下 C値1.0以下

 当社瑞浪モデルハウスでは、エアコン一台で家中涼しい小屋裏エアコン冷房を体感頂けます。

ご予約はこちらまで https://ogurizaimoku.co.jp/modelhouse/

2023年8月28日(月)

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗 良太