全館空調システムのコストについて

 本日は、恵那市岩村町での完成見学会でした、そこで当社をご検討のお客様から頂いたご質問がこちらです。『全館空調システム』は魅力的なのですがメンテナンスコストが気になります。当社が採用している、松尾式床下エアコン、小屋裏エアコンの特徴が低コストで導入できてメンテナンスコストが低いところなのですが、説明不足でした。

 そもそも、全館空調システムというと機械だらけでダクトいっぱいのイメージをされる方が多いのではないかと思います。実際、大手ハウスメーカーで導入しているシステムがまさにそれです。実際導入コストも高く、150万円~300万円程度といったところでしょうか。

 これらの大がかりなシステムのデメリットが修理、メンテナンスコストも高額になる点です。基本的に、全館空調システムのメーカーにしか直せないため、メンテナンスコストも割高になる傾向があります。ほかにメンテナンスできるメーカーがいないので、安くする必要がないためです。

 実際、全館空調システムで10年目までは快適だったけど、高額なメンテナンスコストが払えないために11年目からは普通のエアコンに切り替えるなんて話も普通に聞きます。本日のお客様もこのあたりを不安に思われたのでしょう。

 実際、松尾式は大変簡易な設備で、全館空調を実現させています。誤解を受けることも多いので全館空調システムとはいわないようにしたほうが良いかもしれません。。。基本的に使うのは、一般的な家庭用エアコンと送風機として用いる換気扇だけです。

小屋裏エアコンモデルハウス

 

 モデルハウスの小屋裏エアコンの画像です。家庭用のルームエアコン(14畳用)が1台とファンが4台付いているだけのシンプルな構成です。メンテナンスコストは、このエアコンの交換とファンの交換だけです。

 家庭用エアコンも本当に一般的なものなので、家電量販店でも交換をすることができます。また、使用している換気扇も三菱やパナソニックの普及品のものなので数万円程度で購入ができます。小屋裏エアコンでも家庭用エアコン(それも6畳用等小さいサイズのもの)1台と数台の換気扇だけで構成されています。

 実際、しっかりと家全体を冷やすためにはいろいろな計算と、設計上の工夫が必要となるのですが、交換自体はいたってシンプルです。エアコンと換気扇が壊れたら都度交換するだけです。

 床下エアコンに関しては、そもそも機械がエアコンだけなので、通常の壁掛けエアコンとメンテナンスは一切変わりません。逆に下についているので、フィルター掃除等のメンテナンスは楽になります。

床下エアコンの施工事例

 

 ちなみに導入コストは小屋裏空間を作ったファン(換気扇)の設置の費用が必要ですが、各部屋にエアコン入れるのと同等か少し安いくらいの金額で導入が出来ます。メンテナンスコストについては各部屋のエアコン交換5台するよりも、エアコン2台とファン(換気扇)数台の交換なので安くなります。

一覧にするとこんな感じ

大がかりな全館空調システム 導入コスト 高 メンテナンスコスト 高

各部屋エアコン       導入コスト 中 メンテナンスコスト 中

小屋裏、床下エアコン    導入コスト 中 メンテナンスコスト 低

 特殊設備はできるだけ付けないほうが、後々のメンテナンスコストは安くできます。また、全館空調システムに300万円かけるのであれば、それだけ断熱にお金をかける方が、無暖房時の室温があがって快適になります。

 断熱は交換する必要がないので、最初にお金をかけてしまえば、冷暖房費の削減で回収が可能です。特殊設備は、最初も高額な上にメンテナンスコストも高額なため生涯にわたってコストがかかってしまいます。

 同じだけ費用をかける場合は、断熱によりお金をかけるとその分シンプルな設備で家中快適にした上で、冷暖房費削減とメンテナンスコストの削減が実現できます。当社は、高気密高断熱、太陽に素直な設計、小屋裏エアコン、床下エアコンを標準としています。

 その理由は、できるだけ冷暖房費を安く、メンテナンスコストも安くしながら快適な住宅を提供したいと考えているからです。今後、家中暖かく涼しくという家が当たり前になってくると思います。

 それをどうやって実現していくのかで、生涯にかかるお家へのコストが大きく変わってきます。

 当社の性能の詳しい説明はこちらをご覧ください→ https://ogurizaimoku.co.jp/spec/

2023年9月17日(日)

株式会社小栗材木店

常務取締役 小栗 良太