【徹底解説】最近よく耳にするパッシブ設計ってなに?

パッシブ設計とは?高性能住宅に欠かせない理由

高気密・高断熱住宅は、一年を通して快適に暮らせる住まいとして人気があります。しかし、断熱性能や気密性能だけを高めても、本当に快適な家になるとは限りません。

今回の動画では、高性能住宅の性能を最大限に活かすために欠かせない「パッシブ設計」について解説しています。

パッシブ設計とは、季節ごとの太陽の動きや自然エネルギーを活かして、冬は暖かく、夏は涼しく暮らせるように設計する考え方です。

「高気密・高断熱住宅なのに夏が暑い…」という失敗を防ぐためにも、ぜひ参考にしてみてください。

動画でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。


パッシブ設計とは?自然の力を活かした家づくり

りょうた:
今日は「パッシブ設計」について解説していきます。

高気密・高断熱住宅なら、冬は暖かくて夏は涼しい家になると思われがちですが、実はパッシブ設計を考えずに家を建ててしまうと、夏場に暑さで後悔してしまうことがあります。

高性能住宅は魔法瓶のように熱を逃がしにくい構造なので、夏の日射が室内に入り続けると、その熱も閉じ込めてしまうんです。

だからこそ、太陽の光をどう取り入れて、どう遮るかを考える「パッシブ設計」がとても重要になります。

おぐみゆ:
高気密・高断熱住宅なら安心だと思っていましたが、それだけでは十分じゃないんですね。

りょうた:
そうなんです。

小栗材木店では、このあたりも含めて設計しているので、お施主様が意識しなくても快適な住まいになるよう考えています。

ただ、これから住宅会社を選ぶ方や現在設計中の方は、「パッシブ設計まで考えられているか」を確認してみるといいと思います。

快適な住まいに欠かせないパッシブ設計
高気密・高断熱住宅の性能を十分に発揮するには、季節ごとの太陽の動きを考慮したパッシブ設計が欠かせません。設計段階で日射をコントロールすることが、一年中快適に暮らせる住まいにつながります。


太陽の動きを利用するのがパッシブ設計の基本

りょうた:
パッシブ設計というと難しく聞こえるかもしれませんが、考え方はとてもシンプルです。

「冬は太陽の光をしっかり取り入れる」「夏は太陽の光をしっかり遮る」。基本はこの2つです。

季節によって太陽の高さは変わります。

夏は太陽が高い位置を通り、冬は低い位置を通るので、その違いを活かして設計することで、一年を通して快適な室内環境をつくることができます。

おぐみゆ:
同じ家でも、季節によって太陽の当たり方が違うんですね。

りょうた:
そうなんです。

夏至の頃は太陽の位置が高く、冬至になるとかなり低い位置から日差しが入ってきます。

この違いを利用することで、夏は日射を遮り、冬は暖かい日差しを室内へ取り込めるようになります。

季節によって変化する太陽高度の活用
パッシブ設計では、この自然の変化を利用して、冷暖房に頼りすぎない快適な住まいを目指します。太陽の動きを考慮した設計が、高性能住宅の性能をさらに引き出します。


夏は遮り、冬は取り込むための「庇」の考え方

りょうた:
この日射をコントロールするために重要なのが「庇(ひさし)」です。

夏は太陽の位置が高いので、適切な長さの庇があれば日差しを遮ることができます。

一方で、冬は太陽の位置が低くなるため、庇の下を通って室内の奥まで日差しが入り、暖かさを取り込めます。

おぐみゆ:
同じ庇でも、季節によって役割が変わるんですね。

りょうた:
そうなんです。

設計では、窓の高さと庇の長さのバランスがとても重要です。

一般的には、窓の高さを10としたとき、庇の出を3程度にすると、夏の日差しを遮りながら冬の日差しは取り込みやすいバランスになると言われています。

地域による多少の違いはありますが、この考え方を基準に設計することで、一年を通して快適な住環境をつくりやすくなります。

庇は夏と冬の快適性を左右する重要な要素
夏の日差しを遮り、冬の日差しを取り込む役割を担うため、冷暖房効率の向上にもつながります。パッシブ設計では欠かせないポイントの一つです。


東西北の窓は小さくするのが基本

りょうた:
ここまでお話しした内容は、南側の窓についてです。

一方で、東・西・北側の窓は考え方が少し変わります。

東西から入る日差しは、朝や夕方でも太陽の位置が低いため、庇だけでは十分に遮ることができません。

おぐみゆ:
確かに、西日って部屋の奥まで入ってきますよね。

りょうた:
そうなんです。

そのため、東西北面は窓を必要以上に大きくせず、各部屋0.5㎡以下を一つの目安として考えることをおすすめしています。

もちろん、景色を楽しみたい場所などでは大きな窓を設けることもありますが、その場合は別の方法で日射対策をすることが大切です。

方角に応じた窓の大きさの考え方
方角によって日差しの入り方は大きく異なります。パッシブ設計では、それぞれの方角に合わせて窓の大きさや配置を考えることで、より快適な住まいを実現できます。


大きな窓には外付けシェードが効果的

りょうた:
「景色が良いから大きな窓にしたい」というケースもありますよね。

そんなときは、外付けシェードやすだれなどを活用するのがおすすめです。

特に外側で日差しを遮ることが重要で、外付けシェードやシャッターなら、日射を約8割以上カットできると言われています。

おぐみゆ:
カーテンだけ閉めれば十分じゃないんですか?

りょうた:
実は違うんです。

室内のカーテンは、一度室内に入ってきた熱を遮ることになるため、効果は限定的です。

日差しは窓の外側で遮る方が、室温の上昇を抑えやすくなります。

実際に私の家も西日が強いのですが、シャッターを閉めるだけで帰宅したときの暑さが全然違います。

日射対策は屋外で行うことが効果的
外付けシェードやシャッターは、室内へ熱が入り込む前に日射を遮るため、夏の室温上昇を効果的に抑えられます。大きな窓を採用する場合は、あわせて検討したい設備です。


近年の気候に合わせた日射対策も重要

りょうた:
以前は庇だけでも十分と言われることが多かったのですが、最近は9月や10月でも暑い日が続くようになりました。

この時期は太陽の高さが夏より低くなってくるため、庇だけでは日差しを十分に遮れないことがあります。

おぐみゆ:
だから最近は秋でも家の中が暑く感じることがあるんですね。

りょうた:
そうなんです。

そのため、小栗材木店では外付けシェードの設置もおすすめしています。

春や秋など、季節の変わり目の日射量も調整しやすく、外観にもなじみやすいので、快適性を高める方法として取り入れています。

近年の気候変化を踏まえた日射対策
夏だけでなく、暑さが長引く季節にも対応できるよう、庇と外付けシェードを組み合わせることで、より快適な住環境づくりにつながります。


屋根の断熱性能も快適な住まいを左右する

りょうた:
日射量は、方角によって当たり方が大きく違います。

特に注目してほしいのが屋根です。

夏は太陽が高い位置にあるため、屋根には一年の中でも特に多くの日射が当たります。

おぐみゆ:
確かに夏の屋根って、触れないくらい熱くなりますよね。

りょうた:
そうなんです。

例えば黒い屋根だと、表面温度が70℃くらいになることもあります。

だからこそ、夏を快適に過ごすためには屋根の断熱がとても重要になります。

一般的には、屋根は壁の2倍程度の断熱性能があると安心と言われています。

ここをしっかり考えておかないと、2階が暑くなりやすくなってしまいます。

屋根断熱は夏の快適性を左右する重要なポイント
夏は屋根に最も多くの日射が当たるため、屋根の断熱性能が住まいの快適性を大きく左右します。高気密・高断熱住宅では、壁だけでなく屋根の断熱まで考えることが大切です。


ガラス選びもパッシブ設計の大切なポイント

りょうた:
実は窓ガラスにも種類があります。

太陽の熱を取り込みやすい「日射取得型」と、熱を遮りやすい「日射遮蔽型」があるんです。

おぐみゆ:
ガラスにもそんな違いがあるんですね。

りょうた:
はい。

基本的には、冬の日差しを取り込みたい南側には「日射取得型」、東西北面には「日射遮蔽型」を選ぶのがおすすめです。

窓ガラスがグリーンやブラウン、ブルーっぽく見えるものは、日射遮蔽型が使われていることもあります。

おぐみゆ:
じゃあ南側も日射遮蔽型にすれば、夏はもっと涼しくなるんじゃないですか?

りょうた:
そう思われるかもしれませんが、それだけでは十分ではありません。

「大きな窓でも日射遮蔽型ガラスだから大丈夫」という考え方は違います。

まずは南側に十分な開口部を設け、庇や外付けシェードで日射をコントロールすることが大切です。

そのうえで、方角に合わせて適切なガラスを選ぶことで、パッシブ設計の効果をより高めることができます。

ガラスだけに頼らない日射対策
窓の大きさや配置、庇や外付けシェードと組み合わせることで、はじめてパッシブ設計の効果を十分に発揮できます。ガラスは住まい全体の設計の一部として選ぶことが大切です。


パッシブ設計を知ることが後悔しない家づくりにつながる

パッシブ設計の考え方を知っておくと、窓の配置や庇、ガラスの種類など、それぞれの設計意図も理解しやすくなります。住宅会社からの提案をより納得して受け止められることも、家づくりにおけるメリットの一つです。

住宅会社を比較するときは、UA値やC値などの性能値に目が向きがちです。しかし、数値だけでは実際の住み心地までは分かりません。

例えば、

  • 窓の大きさや配置にどのような理由があるのか
  • 庇や外付けシェードをどのように計画しているのか
  • 方角ごとにガラスの種類を使い分けているのか

こうした点まで説明してくれる住宅会社であれば、パッシブ設計を意識した家づくりに取り組んでいる可能性が高いでしょう。

もちろん、住まいづくりには敷地条件や周辺環境、ご家族の暮らし方なども影響するため、すべての住宅で同じ設計になるわけではありません。

だからこそ、「なぜこの窓の大きさなのか」「なぜこの位置に庇を設けるのか」といった理由を丁寧に説明してもらうことが、納得できる家づくりにつながります。

住宅会社選びで確認したい設計の考え方
住宅性能の数値だけでなく、窓や庇、ガラスの選び方などについて理由を分かりやすく説明してくれるかどうかも、住宅会社を比較する際の大切なポイントです。


太陽の力を活かした設計が快適な住まいにつながる

りょうた:
今回はパッシブ設計についてご紹介しました。

ポイントを整理すると、南側には大きな窓を設けて冬の日差しを取り込み、夏は庇や外付けシェードでしっかり日射を遮ること。

そして、東西北面は窓を必要以上に大きくせず、方角に合ったガラスを選ぶことが大切です。

こうした工夫を取り入れることで、高気密・高断熱住宅の性能をより活かすことができます。

おぐみゆ:
断熱性能だけではなく、太陽の動きまで考えて設計することが快適な住まいにつながるんですね。

りょうた:
その通りです。

これから家づくりを進める方や現在設計中の方は、「自分の家はパッシブ設計まで考えられているかな?」という視点で確認してみるといいと思います。

高性能住宅に欠かせないパッシブ設計
太陽の光や熱を上手に利用・コントロールすることで、冷暖房の負担を抑えながら一年を通して快適に暮らせる住まいになります。設計段階でしっかり検討することが、住み始めてからの満足度につながります。


快適な住まいづくりについてお気軽にご相談ください

高気密・高断熱住宅の性能を十分に発揮するためには、断熱性能や気密性能だけでなく、太陽の光や熱を考慮したパッシブ設計も欠かせません。

小栗材木店では、岐阜県恵那市を中心とした東濃エリアで、高気密・高断熱性能はもちろん、パッシブ設計も取り入れた注文住宅をご提案しています。

「夏も冬も快適に暮らせる家を建てたい」「家づくりで後悔したくない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

また、今回ご紹介した内容はYouTubeでも詳しく解説しています。図を使いながら分かりやすく説明していますので、ぜひ動画もあわせてご覧ください。