毎日の「ちょっと面倒」を減らす家事動線
家づくりで間取りを考えるとき、「キッチンはこのくらいの広さがほしい」「収納をたくさんつくりたい」と、それぞれの空間に目が向きがちです。
しかし、実際に暮らし始めてから使いやすさを左右するものの一つが、家の中をどのように移動するかという「動線」です。
たとえば、買い物から帰ってきたとき。
車の中で眠ってしまった子どもを抱っこしながら、たくさんの荷物を家の中へ運ぶこともあります。
そんなとき、玄関からキッチンやパントリーまでの距離が長ければ、それだけ何度も移動しなければなりません。
毎日の暮らしでは、一つひとつはわずかな移動でも、それが積み重なることで負担につながることがあります。
今回の動画では、小栗材木店のりょうたとおぐみゆが、実際の平屋を歩きながら、家事を楽にする3つの動線をご紹介しています。
家事を楽にする3つの動線
りょうた:
皆さん、本当に忙しい中で生活されているので、できるだけ楽に暮らしていただきたいなと思っています。
ちょっとした歩く距離も、できれば短い方がストレスを減らせます。
今回の平屋では、家事を楽にする動線を主に3つ取り入れているので、ご紹介していきたいと思います。
①キッチンのまわりをぐるっと回れる回遊動線
りょうた:
まず一つ目のポイントが、回遊動線です。
こちらはキッチンのまわりをぐるぐる回れるような動線にしています。
今回はアイランドキッチンとダイニングを横並びにしているんですけど、たとえばここに壁があったとします。
料理をしているときに、お子さんから「ママ、ちょっとこれ取って」と言われた場合、一度こちら側まで回って、また戻ってこないといけません。
でも、こちら側からも出られるようになっていれば、すぐに移動できます。
おぐみゆ:
どちらからでも行けるんですね。
りょうた:
そうですね。
料理をしているときにお子さんが冷蔵庫へ行く場合でも、こちらから回れるので邪魔になりにくいです。
自分たちも家族も移動しやすい動線になるので、キッチンのまわりを回遊できるようにしてあげると非常に楽になります。
りょうた:
ただ、デメリットとしては、回れるようにするためのスペースが必要になります。
その分、リビングなどのスペースが大きくなりやすいんですね。
必ず回遊動線にしなければ使いづらいということではないので、土地や間取りも含めて、全体のバランスを考えることが大切です。
②買い物から帰ってすぐに片付けられる動線
りょうた:
二つ目は、買い物が終わって帰ってきてからの片付けの動線です。
こちらのお家では、カーポートから玄関まですぐに入れるようになっています。
雨が降っているときでも、それほど濡れずに家の中へ入れると思います。
そこから家族玄関があって、パントリーへつながっています。
りょうた:
玄関から入ったら、シューズクローゼットでコートを脱いで、靴を脱いで、そのままパントリーへ入ることができます。
冷蔵庫に入れないものはパントリーへ収納して、そこからすぐ近くにある冷蔵庫へ。
冷蔵庫に入れるものもそのまま片付けられます。
買い物かごもこのあたりに置けば、それで完了ですね。
おぐみゆ:
買い物したものを持って、家の中を何度も行ったり来たりしなくていいんですね。
りょうた:
そうですね。買い物後の動線も、短ければ短いほど楽になります。
りょうた:
ただ、キッチンを玄関の近くにすれば、それだけでいいかというと、そうとも限りません。
間取りによっては、玄関からリビングへ行くお客様がキッチンの近くを通ることにもなります。
今回のお家では玄関からリビングへそのまま行けるので問題ありませんが、間取りによって条件は変わります。
家事を楽にすることだけを追求するのではなく、間取り全体とのバランスを考えながら設計することが大切です。
③「洗う・干す・しまう」を短くする洗濯動線
りょうた:
最後の3つ目が、洗濯の動線です。
たとえば2階のバルコニーに洗濯物を干す場合、1階の脱衣室に洗濯機があって、洗濯が終わったらかごに入れて2階へ上がります。
干して、何時間か経って乾いたら、また2階へ行って取り込んで、かごに入れて1階へ戻ります。
さらに各部屋にクローゼットがあれば、畳んだものをそれぞれの部屋へ持っていかなければなりません。
かなり長い動線になりますよね。
おぐみゆ:
確かに、洗濯するだけでもかなり移動していますね。
りょうた:
今回は、それをできるだけ短くしています。
脱衣室に洗濯機があって、洗濯が終わったら、そのままここに干します。
階段を上がる必要もありません。
さらに、そのすぐ近くにファミリークローゼットがあります。
おぐみゆ:
本当にすぐですね。
りょうた:
そうですね。
洗濯物を持って、1、2、3歩くらいで終わります。
かなりの時短になりますし、家族も洋服を探さなくて済みます。
全部ここにありますからね。
りょうた:
お子さんが大きくなって、自分の洋服を自分でしまえるようになったら、「ここから持っていってね」と、それぞれの部屋に持っていってもらえばいいと思います。
まずは洗濯をする人が、ここで一気に洗濯から収納までできる。
洗濯に関する家事がここで完結するのが大きなポイントですね。
りょうた:
もっとしっかり乾かしたいという場合は、ここに置いてあげれば、完全に乾燥させて終わりにすることもできます。
そういう意味でもおすすめです。
毎日の移動を減らす3つの家事動線
回遊動線ではキッチンまわりを移動しやすくし、買い物動線では玄関からパントリー・冷蔵庫までを短く、洗濯動線では洗濯機・室内干し・ファミリークローゼットを近くにまとめています。
ただし、家事動線だけを優先すればよいわけではありません。回遊動線にはそのためのスペースが必要になり、キッチンの配置によっては来客時の動線にも影響します。家族がどのように暮らすのかを考えながら、間取り全体とのバランスを取ることがポイントです。
家事の時間を減らして家族と過ごす時間を増やす
りょうた:
今回は、間取りの中で家事が楽になる3つの工夫をご紹介しました。
実際に暮らしたときに「これがあってよかった」「楽になった」と感じられるような工夫を、間取りの中に取り入れていくことが大切だと思っています。
暖かい、涼しいということも暮らしを豊かにする一つの要素ですが、忙しい時間をできるだけ減らすことも、暮らしを豊かにすることにつながると思います。
家事にかかる時間を減らして、リラックスしたり、家族と遊んだりする時間を増やしてもらえたら、より楽しく暮らしていただけるのかなと思います。
家事楽の先にある家族との時間
家事動線を短くする目的は、単に効率を上げることだけではありません。毎日の家事にかかる時間や移動を少しずつ減らすことで、リラックスする時間や家族と過ごす時間をつくりやすくなります。注文住宅の間取りを考えるときには、「どんな部屋がほしいか」だけでなく、「毎日の家事をどのような順番で行うか」までイメージすることも大切です。
暮らし方から考える家事動線と間取り
回遊できるキッチン、玄関からパントリー・冷蔵庫へつながる買い物動線、そして洗濯から収納までを短い距離で完結できる洗濯動線。
今回ご紹介した3つに共通しているのは、日々の暮らしの中で発生する移動をできるだけ減らすことです。
一方で、動画の中でも触れているように、すべての家に同じ家事動線が適しているわけではありません。
家族構成や土地の広さ、リビングの配置などによって、使いやすい間取りは変わります。「家事が楽」という一つの条件だけで決めるのではなく、家族がどのように暮らしたいのかを考えながら、住まい全体のバランスを取ることが大切です。
「今の家では洗濯が大変」「買い物後の片付けをもっと楽にしたい」など、現在の暮らしで感じている不便があれば、それも間取りを考えるための大切なヒントになります。
小栗材木店では、家づくりや間取りについてのご相談を受け付けています。実際の住まいを体感できる見学会も開催していますので、恵那市・中津川市・瑞浪市など東濃エリアで注文住宅を検討していて、家事動線や暮らしやすい間取りについて気になることがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。


